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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第14章 ちーちゃんの夏休み♡partⅤ♡





…───



頭のなかをアイツでいっぱいにしながら、豊かな自然の緑と青のコントラストをしばらく眺めていた。

頬をさらった午後の海風が哀愁を運んで、どこからか心なしの寂しさを連れてくる。


「なにやってんだ、オレ……」


誤魔化すようになにかを口にすればそれもまた虚しく、ひとりでいる時間をこんなにも孤独だと感じたのは初めてだった。

そんなオレの目の前を、無邪気な子供が駆けていく。

手にはハワイの海のスノードーム。

近くの雑貨屋で購入したばかりなのだろう。嬉しそうに立ち止まり、それを陽にかざせば2匹のウミガメと珊瑚礁に降る雪が水のなかでキラキラと光を反射させた。

そういえば、海のなかにも雪が降るという。

その正体は、肉眼的大きさで水中を漂う懸濁物で、まるで雪のように見える白い粒子のことらしい。

それは、一定の速さでゆっくりと海中を沈んでいき、やがて海底に降り注ぎ堆積する。

人々はそれを"マリンスノー"と呼ぶ。


光の届かない深海の暗闇に、静かに降り続ける白い雪…




孤独という海に放り出され、

沈むこの心も

そこに募る想いも…


まるで───…










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