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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第3章 バレンタインの事情♡その②…葵…
名前も呼べないほど激しく腰を沈めて揺さぶるたびに、揺れるかたちのいい胸の双丘にオレの汗が滴り落ちる。
泣き叫びながら痙攣を繰り返して大きく仰け反る彼女…
絶頂を迎えるたびにきつく締め付けられ、そのたびにオレの顔も愉悦に歪んだ。
やがて…
彼女のなかに熱い欲望を放った刹那、パタリとベッドに力なく落ちた細い腕。
たてられた爪に背中に残った痛みと、絶頂の余韻が引いてようやく頭が覚醒して目が覚めたオレは、長い睫毛を伏せて動かなくなってしまった彼女の髪を撫でた。
そして冷たくなったシーツを剥いで横たわる肢体にブランケットをかけ、汗で頬や額に張り付いた髪を拭う。
「………」
──やらかした…
この状態だと、オレが出掛ける時まで起きてこないかも…
そう思うと急激に仕事に行きたくなくなった。
街中でチョコレートハザードが起きているこの季節…
甘い物が苦手なオレにとって、彼女の笑顔の見送りなしの外出は正直萎える。
チョコレートの甘い匂いが充満する街中を歩くのはオレの生死に関わるのだ。
それに加えて、早くもオレの店に届く大量のチョコとプレゼント。
外を歩けば、顔も名前も知らない女の子からも渡される始末だ。
別に今始まったことじゃないし毎年のことながら慣れてるけど、量が量で持って返ってくるのも面倒なんだよね。
だから店に置きっぱなしになってるけど…そろそろ撤収しないと愛しのスタッフたちに怒られそうだ。
そういえば、オレ自身はこれまでのバレンタインってどうしてきたんだっけ…