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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第15章 ちーちゃんの夏休み♡partⅥ♡
手を止め耳を傾ければ、
「ねぇ、どういうこと?包装解けてるんだけど。あれはちーちゃんにって…ちょっと、聞いてるー?勝手に食べたとか言ったら承知しないんだから…」
…そんな不満の声を携えこちらへ近づく足音。
「…誤魔化してもダメだかんね。だってあそこにはちゃんと赤いリボ…ン…が………」
すると間近で立ち止まった彼のその声に、聖は背を向けたまま千隼の手だけを持ち上げる。
そして…
「あぁ、それなら…」
含みのある声で振り向いた聖の手元から広がるすべての景色に…
「…ゴメンね、"先に食べちゃった"」
「…ッ……!!」
…葵は何を目にして、
「おしいかったよ…」
何を思っただろうか…。
「…ごちそうさま♪」
─そのすべては、結ばれた赤いリボンだけが知っているのだった。
…──