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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第16章 ちーちゃんの夏休み♡PartⅦ♡

葵くんのその…
"─弟みたいなものだから…"
目にしたこっちが暖かくなるような、素敵な表情の理由が。
「…………」
そして今も…
疲れ果てて眠る聖くんを見つめる
見守るような…
家族を見てるような暖かい顔の理由が…。
「………はぁあ、でもホント。敵わないね、ちーちゃんには…っ」
「え、うん…!?」
っ、葵くん?
なぜかそこで急にアタシに降参だとでもいうように目尻をさげた彼の口調に、驚きながらもちょっと照れくさくなった。
そして、
「………好きだな、ちーちゃんのそういうところ」
あ……
えっと…
「こんな……
誰も見てくれないようなところ、ちゃんと見ててくれるから」
「っ…──」
葵くん…
「だから…」
………!!
「……ホントに…好き」
優しい腕で抱き締めたまま葵くんは頬に手を添えて、間近に迫る真っ直ぐな瞳でそう呟いた。
「好きだよ…ちーちゃん」
それから彼のサラサラの髪がアタシの額に掛かったかと思えば、柔らかくて感触が唇に舞い降りる。
それは何度も何度も甘い熱を落として触れては離れ…
「…だから本当に今日は特別。
本当なら、ちーちゃんだけは
誰にも触らせたくないのが本音だから…」
優しいお兄ちゃんのような顔からひとりの男性に顔を戻した葵くんが、アタシのなかを彼という存在でいっぱいにしていく…。

