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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第5章 ちーちゃんの夏休み♡
「ちょっと荷物係、ちゃんと働いてよね!!ちーちゃんと手繋げないでしょー」
「嫌ですー。オレはちーちゃんの分しか持たないんだから、うるさいお荷物は黙ってて下さいー」
「邪魔な荷物なのはそっちでしょ!!」
─ゲシッ!!
「ちょっ!!…ぶないなぁ。ちーちゃんに当たったらどうすんの」
「葵くんが大人しく蹴られれば問題ない」
「っ、かわいくな…!!」
「………」
えーと…
さっきから繰り返される似たようなこんなやり取り。
こんなたくさんの人が行き交う空港のロビーのど真ん中でいったい何が起きてるかと申し上げますと、
競うように白を基調とした爽やかコーディネートに身を包んだ規格外のイケメンふたりが、アタシを挟んで言い争いを繰り広げているのです。
え、それは誰と誰かって!?
それはね…
「ねぇ、ちーちゃんからも言ってぇ。ちゃんと葵くんに働けって」
「ッ…!!え、っと…」
そう…まずは、
右隣からサングラス越しに上目遣いの甘えた視線を送ってくるのは、なにを隠そう生粋の小悪魔・聖くん。
っていうか、
それ…狙ってやってるの!?
そのティアーズドロップのサングラスは似合ってるけど、アタシにとっては意味が無さすぎるんですけど。
日差しと紫外線はカットできてるだろうけど、その半端ない魔力カットできてないから!!
日本を飛び出しても天使の顔をした彼の魔力は健在らしく、その眼差しにいつにも増して目眩を覚える。