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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第7章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚

というか、面倒を押し付けられたのは、むしろ明智さんの方ではなかろうか?
書類の受取りに加えてアタシの迎え。言われてみれば秘書でも十分間に合いそうなお遣いを、なぜわざわざ専務の肩書きのあるの彼がしていたのだろうか。
まさか暇を持て余していたなんてわけではあるまいて。アタシの支度を容赦なく急かす彼が、忙しい自分がわざわざ足を運んでやったのだと不満げに、もはや八つ当たりレベルで溢していたのを覚えている。
そんなほのかな疑問を抱いたところで、
「今朝はお前をいじめるのに夢中で、こんなのすっかり忘れてた」
さらりと涼しい顔でそんなことを言う渚くんが、再び書類を納めた封筒を明智さんに突き返した。
って、ちょっと待て。いきなりそんなこと言ったら今朝のこと思い出しちゃうじゃないか…
誰もアタシの顔なんて見てないと思うけど、真っ赤な羞恥が顔に出る前に咄嗟に証拠隠滅。頭のなかの不埒な映像たちを消しに掛かる
…と、
「…なにせ誰かさんが急に呼び出すから、な」
へ…
「………ゴ、ゴホン」
アタシの隣のソファーに腰を下ろした渚くんの意味深な視線を受けて、咄嗟に咳払いをする明智専務。
…も、もしや、そういうこと!?
まさか単純に、渚くんがわざわざ専務である彼にこんなお遣いを押し付けたのは、急な呼び出しに対する当て付けとか…
「フン、大した要件でもあるまいし…」
「いえ、大した要件です」
「オレの時給は高いぞ、明智」
「存じております」
あは…あはははは…

