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他人の妻、親友の夫
第4章 未達の悦び
結婚して六年。
今でも変わらず、いや、昔よりも愛は深くなっている。
無論繋がって揺れれば気持ちいい。

だが--

「……駄目そう?」

身体の中で萎れていく夫を感じ、理依は優しく問い掛ける。
そこには非難も同情も、自らを責める響きもなかった。
敢えてたとえるならペアでやっているスポーツのパートナーに訊ねるような、そんな声だった。

「ああ……ごめん……」
「秋彦さん」

思わず謝ってしまったことに対しては厳しく咎められた。
何も答えず萎えたものを妻から抜く。
まだだらりとはなっていないが、芯は消え失せていた。

結婚してから今まで、射精に達せられた性交は数えられるほどしかない。
はじめは緊張してのことかとも思っていたが、それは何ヵ月経っても改善されることはなかった。
医師から下された診断結果は『勃起不全』いわゆる『ED』であった。
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