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他人の妻、親友の夫
第5章 視線の愛撫
汗で貼り付いた体操着は理依の身体のラインをくっきりと表してしまう。
それに加えブラジャーをしていない為に走る度にそれがたゆんたゆんと揺れた。
それを見てニヤニヤと男子が笑う。笑われてると分かっていたが、どう反応していいか分からない十歳の彼女はただひたすらに耐えるしかなかった。
その時身体に感じた熱は、恥ずかしさと夏の熱さと運動のせいだと信じて疑わなかったのは言うまでもない。

男子生徒だけならば、まだ理依も耐えられた。
無遠慮な視線は先生からも向けられることがあった。
『私子供なのに……』
大人の、それも信頼する教師からも好奇の眼差しを向けられ、彼女の幼心は動揺し、傷つけられた。
自分が異常なのかと悩んだときもある。

また理依は身体の成長は早くとも、心の成長は遅い方だった。
クラスの友達は誰が好きだとかで盛り上がっている中、理依は男子にそういう興味を持てなかった。
『男子は怖い……』
視られ続けた彼女の心にはそんな畏れが根付いてしまっていた。
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