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他人の妻、親友の夫
第1章 禁断の目醒め
先輩の夫とテントに入ってからも、志歩の意識は常に夫の方へと向いてしまう。
わずかな隙間から幾度となくもう一方のテントを盗み見た。

「ごめんなさい。やっぱり気になりますよね」
「あっ……いえっ……すいません……」

指摘され、慌てて視線を秋彦に向ける。

「こんな変態的な申し出をしてしまって……志歩さんにも海晴さんにも申し訳なく思っています」

秋彦は深々と頭を下げた。

「ち、千田さんは……その……大丈夫なんですか……」

ずっと訊けなかった疑問をぶつける。

「大丈夫かと訊かれれば……複雑ではあります……」
「だったらなんで……」

こんなことをするのだろうか?
当然の疑問がこみ上げる。

彼はどう見ても志歩に女性的な興味を抱いているようには思えなかった。
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