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その恋受け取ります
第3章 イケメン嫌いの理由
酒を酌み交わし、恋愛についてあれこれ論じ合うほど親しくなるとこう言われる。
「未和ちゃんみたいな女の子といると楽なんだよね、気使わずに気楽に付き合えてさ。
ちゃんとした友達としていられるし」
ちゃんとした・・友達・・ともだち・・・
未和の頭の中ではこの言葉が縦横無尽に行き交って、
いつしか顔は凍りついている。
私って、恋愛対象には見られない。
ただのイイ人、なんだ・・・
十人並みの顔とスタイル、ただ他の女よりも気取らず声をかけられる・・
そう思われているだけだと悟った。
イケメンなんか、もう友達になりたくない。
別にいいよ、友達になんかなってくれなくて。
未和は完全に、イケメンに対して心を閉ざしてしまったのだ。
今回、新しく担当になったドライバーは天敵・イケメンだった。
仕事上での付き合いだから友達、なんて関係になることもないだろうが、
一度芽吹いたイケメン恐怖症は、
いかなる場面でも、未和の心の扉を錆びつかせて開けようとしなくなったのかもしれない。