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その恋受け取ります
第7章 最終章:心が決まりました
「土曜日、どうだった?」
月曜に出勤すると、人目を避けるようにして佳織が駆け寄ってきた。
「おはようございます。はい、無事に荷物を届けられました。
ほんとにスミマセンでした。以後気をつけますんで・・」
「ほんとだよ、今後も送り間違いを防ぐように徹底して。
・・ところで・・もう一つはどうだった?」
「もう一つって?」
そらっとぼけながら、でもちゃんとわかっている。
悠月とはなにかなかったのか、聞きたいことぐらい。
だけどさすがに悠月とのことは報告できない。
まだ本人に結果を伝えていないのに。
「ん?いや・・なんかあったかなぁって思ってさ。
あ、別に気にしないで」
曖昧さを装いながら、海を漂うプランクトンのような動きで
未和から離れていく佳織。
その後ろ姿をこっそり笑いながら、それでも
心配してくれている先輩に感謝の気持ちを込めてちょこんと頭を下げた。