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君をこんなに愛してる
第6章 温もりを重ねて
掴まれた手は枕元に固定された。
「ん…ッ…く…」
挿れたまま動かない絢人さん。
その表情がとってもステキだ。
気持ちいいのか苦しいのか…よくわからない顔をしている。それはわたしも同じなんだろう。
“ そっか…。《 今の絢人さん 》にとって、わたしはまだ処女だったんだ ”
彼にとってはこれが、わたしと初めて繋がった瞬間なんだよね。
そう考えたら処女でない自分自身が申し訳なくなってくる。もちろんそれは言葉のあやで、わたしの初めてが絢人さんであることには変わりないけれど。
「…あやと、さん」
「…ハァ、…?」
「わたしが好きなのは、絢人さん、だけ…っ」
「──…!…うん、僕もですよ…」
被さったまま目を閉じていた彼は
いきなりのわたしの告白に戸惑ってこちらを見た後に、嬉しそうに笑ってくれた。
「栞が誰よりも大事です。だからこうして…いつまでも愛し続けたい…」
「わたしもよ…っ、絢人さんに…ハァ、…触れてもらえる時間大好き、だもの…」
「ふふ、急に何ですか?照れてしまう」
「…急にじゃないわ、何度も言ってることよ。でも…ッ─絢人さんは覚えてないんでしょ?だから、もう一度、言うの…!!」
「──…」
返事をしてくれない絢人さん。
…あ、違う。
そんな寂しい顔をさせたいんじゃなかったのに。