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Memory of Night 番外編
第2章 Episode of YOI
きっと、ニュースを見たいと言ったのがあそこから逃げるための口実でしかなかったということは、明にバレてしまっているのだろう。
そう思うと余計に恥ずかしい。
「近くのファミレスでいいよね」
「うん」
問われて、笑顔を作ってそう返す。
歩き出す明の後ろに続きながら、風になびく明の髪を見ていた。
そういえば、中学の頃から、明はいつも肩くらいまでのセミロング。茶っ気の混じった少し癖のある髪はいつ見ても綺麗だ。
顔立ちも華やかで、性格だって明るいし、頼りになる。
いつも真摯に自分の悩みを聞いてくれる明に、宵に対しての微妙な気持ちを打ち明けてみようか一瞬迷ったけれど、すぐにその思いつきはやめた。
彼は自分には不釣り合いすぎる気がして、話すのが怖かった。
(わたしも明ちゃんみたいになれたらいいのにな)
自然と心の内でつぶやいてしまって、ますます恥ずかしくなる。
ただ、憧れずにはいられなかった。
自分もあんなふうに、彼と話したかった。
もうすぐ、彼の姿を見ることも声を聞くことも叶わなくなるのだと思うと、渇望だけがますます強みを増していくような気がした。