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過去恋
第42章 変な奴
 私は相変わらずで、何をしてても満たされなかった。

 愛されたかった。愛したかった。だけど本気になることが、傷つくことが怖くて愛せなかった。

 だから言葉だけ。軽いノリで話して、相手を怒らせた。

 好きじゃないのにね。気にもならないもんね。所詮、疑似恋愛。そんな考え。

「さっきから話聞いてるとなんなん?」

「何が?」

「気もたせたり突き落としたり」

「別に」

「なんなん? 思わせぶりな態度とって」

 私は泣いた。怖くて。

「ごめんなさい。ごめんなさい」

 何回謝っただろうか。だけど相手は。

「謝って済むと思っとん? 悪いと思ってる?」

「思ってます。ごめんなさい」

「じゃあ謝りに来い」

「できないです」

「悪いと思ってないからやろ?」

「思ってる」

 そんな繰り返しで、結局、行くことにした。今思うと大バカ者でした。
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