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貴方にジャンキー
第19章 進路
修学旅行が終わると、3年生は一気に受験モードへ。


「南波ーー。放課後、講習室!Bの25!いいなっ!」



俺はというと・・・毎日、放課後は朝倉に捕まって進路相談。
何がやりたいのか。

ここまで、勉強したのは心の空白を埋めるため。


必死にやってきた勉学は、無駄にはなってないと思う。
実際、理子が来て心の空白は埋まったはずなのに、1年間でついた習慣というものはすごいもので、帰ってから復習予習を欠かしてない。

ただ・・この先、どうしたいかというものは分からない。



「理子は、どうするんだ?」

「私が東大行くって言ったら、徹も行くの?」

「いや。それは・・」


理子と一緒に居られるためなら、頑張れるかもしれない。けど、違う気がする。



「将来像を見据えてごらんよ。」


将来・・・俺が居て。隣には理子が居て・・娘も居るといいなぁ。
そうだ。母さんと理子が仲良くキッチンに並んで・・。
店はどうなってるかな。まだ母さんが仕切ってるだろうか。


「そうだった・・」

「ふふっ♪」

「ありがとう。理子。思い出した。朝倉ンとこ行ってくる!」


そうだ。店を手伝おうと思ってたんだ。
メイド喫茶なんかにしちゃったから、そんな気持ちすっかり忘れてた!
まだ、普通の小さな喫茶店だったころ どんな形でも良いからこの店を潰さないようにしようと思ってたじゃないか。
今なら、分かる。俺は数学が好きだ。数字を見てるのは苦にならなくなった。
栄養学でも、会計学でも、経理学でも何でも良いから、店を見守ることは出来るんじゃないかな。


先が少し見えたぞーー!!
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