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さくらホテル2012号室
第2章 淡く溶けるもの
腰紐の縄が許すかすかな隙間の中で、身体をひきつらせて痙攣させ、わたしはまた、果ててしまう。割れ目から淫らな蜜をあふれさせたまま、先生の巧みな指技は、わたしを瞬く間に駆り立てる。理性を壊し、欲情を炙(あぶ)り立てる。
知らなかった。
自分がこんな女なんだと、知らずに生きてきた。
火照った頬に、髪がはりついている。
唇の端にも、ほつれ毛がからんでいる。
気づいた時には、よだれがスッと、床に垂れ下がっていた。
こんなはしたない自分を知ることができたことは、倖せだったのか、不倖せだったのかは分からない。
けれども、先生と知り合ったことは、間違いなく正しいことだった。淡く溶けてゆく意識の中で、わたしはそう思っていた。