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私を愛して
第1章 -第1章-
「そう言ってもらえると、美咲も嬉しいわ。」
美咲は 微笑む。
「…ここまで 走ってきたのかい?」
「うん。ホームルームが長引いちゃったから、走ってきたの。
おじいさまを待たせちゃいけないと思って……」
「フォッフォッ……
可愛い事を言うわい。」
「…ふふっ……」
美咲は 楽しそうに笑う。
「だから、迎えに行かせると言うとるのに……」
「ダメよ。おじいさまのお迎えの車が来たら、周りのクラスメイトがビックリしちゃうわ。」
「…そうかい?」
「そうよ。
美咲は ちゃんと歩いて遊びに来ます。」
「…そうか。
こんな爺ぃに会いに来てくれるか。」
「もちろん。」
「…嬉しいのう…
美咲………おいで…」
その年配の男は美咲に手を伸ばす。
それに答えるように、美咲は立ち上がった。