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WHITE TIGER
第1章 memory
俺の名前は永野 陽人-ながの はると-。
ここ花の都東京で営業マンとして働くサラリーマン。
まぁ、本当は田舎から出て来た田舎者で根っからの都会っ子って訳じゃねぇけど。
「永野君。今月の成績も上々だねー」
「ありがとうございます、部長」
会社の廊下ですれ違った部長に呼び止められて、肩を叩かれながら激励の言葉を頂いた。
「これからも一つ宜しく頼むよ。期待の新人君」
「はい。期待に応えられるよう精一杯努力します」
頭を下げて部長に感謝の気持ちと仕事に対する意欲を見せた。
部長からの激励の言葉なんて、まだ新入社員の立場の俺からすれば有り難いことこの上ない。
部長と別れて仕事に戻るために部署へと向かった。
部長は俺とは逆方向へ歩いて行く。
恐らく今から会議なのだろう。
会議室へと向かってるんだと思う。
部長へと向かう途中に給湯室の前を通りかかった。
給湯室の中では女性社員が三人ほど、中で何やらヒソヒソと話している。
「ねぇねぇ。営業の永野さんってかっこいいよねー」
「うん。如何にもデキる男って感じー」
「彼女とかいるのかなぁ?あー、私本気で狙ってるんだけどなぁ」
「━━━━…」
別に盗み聞きするつもりはないが、ついつい耳に入って来てしまう女性の会話。
その言葉につい給湯室のそばで足を止めてしまった。
まぁ、悪い気はしないんだけど。
今から部長達は会議みたいだし、会議に出すお茶を淹れてるのだろう。
「っていうか、アンタ永野さんより年上じゃん!無理無理!」
「えー?永野さんは絶対年上の女性に可愛がって貰いたいタイプだよ~」
「そうかな?うんっと年下の彼女を甘やかしてくれそうな気もするけどぉ」