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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第1部
第78章
そして蕩け切った膣内に留まったままの兄の陰茎がまだ硬く、そのたまらなさにヴィヴィの喉の奥から意味不明の嬌声が小さく漏れ続ける。
(かたいよぉ……っ 擦れてっ ああ、もう……っ 心臓、壊れ、ちゃう……っ)
イき過ぎて呆けたヴィヴィは、ひくんひくんと躰の全てを震わせながら、定まらない視線を彷徨わせていた。
その視界に抱擁を緩めた兄の顔が映り込み、像を結ぶ。
「ヴィクトリア……、お前の中に、こんな奥にっ」
苦しそうな表情でそう言い募る匠海に、ヴィヴィの胸もきゅうと締まるように疼く。
「いっぱ、い……、お兄、ちゃんのっ ……っ」
匠海の陰茎は、吐精して数分経ってもまだ剛直を失わず、ヴィヴィの中でびくびくと震えていた。
そしてそれに蓋をされた兄の精液は、ずっとヴィヴィの最奥に溜まっている。
いつもならこの後しつこい位、亀頭の先で精液を子宮に塗り込めてくる匠海だが、今日はそうして来なかった。
ヴィヴィの震えが収まるのを、その躰を撫で摩りながらあやしてくれた。
(お兄ちゃん……、優しい。ヴィヴィ、まだ、中……気持ちいい、の……)
しばらく経って、やっと落ち着きを取り戻した妹に気付いた匠海は抱擁を緩め、腕の中を覗き込んできた。
切なそうな表情を浮かべた匠海は、ヴィヴィのおでこに自分のそれをこつりと合わせてくる。
「ごめん、もう離れたくない……」
甘えたようにも聞こえる声音に、ヴィヴィは目をぱちくりさせる。
(お兄ちゃんのこんな顔も、ヴィヴィ、初めて見る……)
「ヴィヴィ、も……」
そう囁いて兄の瞳を覗き込んだヴィヴィだが、正直戸惑っていた。
(もしかして、お兄ちゃん、この2ヶ月、かなり寂しかったのかな……? いや、まさか、ね……?)
本当ならいつもと違う様子の兄を、自分の胸に抱きしめて眠りたかった。
それ位、匠海の表情は寂しげで切なそうで、ヴィヴィの心を震わせた。
けれど躰を繋いだままでのそれは、物理的に不可能で、ヴィヴィは出来る限り匠海を抱き寄せ、その広い背中を撫で擦る。
(どうしたの……? お兄ちゃん、何か、あったの……?)
「このまま寝ようか 朝、出してあげる」
そう囁いて妹を貫いたままごろんと横になった匠海に、ヴィヴィは頷く。
「うん……」