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仮面男子は彼女を愛す
第4章 貯水槽の白い薔薇
「玲奈が事故の事を忘れられないのはしょうがないよ。でも、俺が命の恩人だからって話は、なんか自分自身を見てもらってない気がしちゃう時もあるんだよ。あそこで助けてもらったから付き合ってるって、そういう風にも感じてしまう。それに、あの時俺はお前を助けたハッキリした記憶がないんだ。だから余計に……」
「もう分かったよ」
俺のそんな感情を爆発させたような話を聞くと、玲奈はスッと何かから冷めたような顔をして、1人で実家のあるほうに歩き出した。