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第5章 仮面の告白

「チョコなんて要らないって言っただろ」

その場に友達は居なかったものの、なんとなく照れくさかったのと、意地を張っていた俺はチョコを食べる事を断る。すると怜奈は涙ぐんで俺に尋ねてきた。

「もしかして……誰か好きな人でも居るの……？　だから私のチョコ食べられないの？」



その怜奈の様子にさすがに少し動揺した俺は、

「す、好きな人なんて、居るわけないだろ」

と俺は右手をギュッと握り締めて、その右手で口元を隠しながら言った。