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第19章 交差する縁

そう。さっきの黒野の言葉で片桐には十分すぎるほどだった。

「お嬢様以上って…明らかに黒野さんが好きなのは愛良ちゃんじゃない…社長に言ったらどうなると思ってるの！？」

そういいながら携帯を出して電話帳をスクロールした。しかし当主のところで手が止まるもののコールすることが出来ずにそのままプツリと閉じた。

やはり黒野が幸せであることが幸せだと…

そう思いながら何ともいい表せない気持ちがこみ上げる中気持ちを落ち着かせると片桐は仕事に戻った。
黒野と愛良は佐々倉に挨拶をしてビルを後にしていた。当主達はたまっていた仕事を片しているため時間が取れなかったのだ。