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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から
「なんだよ、まったく」
僕は一人、苦笑を浮かべ呟く。
シャッ――と、カーテンを開けた。夏の容赦ない日光が、一気に注ぎ込み部屋を明るく照らす。
窓からの景色は、いつもと同じで見慣れていた。
順番を滅茶苦茶にしたのは、寺井の方だと思うから。はっきり言って僕は、彼女の言葉に納得できない気分もしてる。
だけど――何も顧みず距離を縮めてくれたのも、寺井だ。そうでなかったら、僕たちの気持ちは、ずっと何処かに埋もれたまま……だったの、かも。
新たに設けられたハードルは、僕にとって決して低くはなかった。
それでも――僕は。
「……」
見渡す景色は、やはり少し違うようでもある――から。
そう感じさせてくれた彼女のことを、僕はまた見つめてみたいと思っている。
【意識した瞬間から――――おわり】