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エブリデイ
第1章 ケンカして、その夜
できれば、嫌な想いを明日に持ち越したくはなかった。
だけど、彼女とは怒りの沸点が異なることを、僕もそろそろ学習している。
ついカッとなり口論を展開してしまう僕に比べ、彼女は気に入らないとする感情をひたすら口を紡ぐことで表すのだった。
こうなってしまえば、何を言おうとも無視されることになるから。無理に話し合おうとすれば、余計に苛立ちを募らせるのは僕の方となる。
だから今はとにかく、静かに雪解けを待つしかなかった。
「……」
結局それ以上は何も言わずに、僕はそっと扉を閉じる。