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エブリデイ
第3章 意識した瞬間から
インターホンが鳴り、僕は玄関のドアを開いた。
「ども」
「ああ、うん」
ライトな挨拶を交わすと同時に、寺井はさっさと部屋の中に入った。そして、入口にほど近い冷蔵庫を勝手に開くと、コンビニ袋から取り出したペットボトルを入れた。
「買ってきたから。飲みたかったら飲んでよ」
「ありがと」
僕が玄関から振り向き、何となく寺井の行動を眺めている、と――。
「どうしたの? ボケッとしてさ」
「いや、別に――あれ、山岡と加藤は一緒じゃないの?」
「ああ――今日は用事があるって。聞いてないの?」
「聞いてないよ。じゃあ――」
「うん、来ない。だから、今日は二人だけだね」
彼女――寺井夏美は、何時もの感じで素っ気なく、僕にそう告げていた。