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桜舞うあの日のままで
第14章 夏休み直前、悠と真奈美
帰り道、正門を出るとすぐに、真奈美が話を切り出す。
「ねぇ、明日から2ヶ月近くも、ずっと実家で過ごすの?」
「うん、そういうことになるな」
「どうして?」
「は?」
悠は聞かれている意味が分からなかった。
真奈美が説明する。
「だって、別にずっと実家で過ごす意味はないでしょ。帰省は、お盆の1週間くらいでもいいじゃない?」
「そういうわけにもいかない。故郷には知り合いも多くてな。そして、ちょうどいいことに、知り合いの一人が『夏休み期間だけの短期バイト募集中』って広告を出してるのを見つけて、連絡を取ってみたら、あっさり採用してくれたんだ。だから、向こうでバイトしながら、気楽に過ごすよ」
「そのバイトって、時給いくら? 私もちょうど、バイトを探してて」
「880円だったかな。でも募集は一人だったから、俺が採用されたことで、もうその口は埋まってしまったぞ。まぁ、このくらいの条件なら、他に幾らでも見つかるだろうし、気にするなって。それに、真奈美の家からは、かなり遠いしな。真奈美はいつも、実家からここまで通ってるんだろ」
「ねぇ、明日から2ヶ月近くも、ずっと実家で過ごすの?」
「うん、そういうことになるな」
「どうして?」
「は?」
悠は聞かれている意味が分からなかった。
真奈美が説明する。
「だって、別にずっと実家で過ごす意味はないでしょ。帰省は、お盆の1週間くらいでもいいじゃない?」
「そういうわけにもいかない。故郷には知り合いも多くてな。そして、ちょうどいいことに、知り合いの一人が『夏休み期間だけの短期バイト募集中』って広告を出してるのを見つけて、連絡を取ってみたら、あっさり採用してくれたんだ。だから、向こうでバイトしながら、気楽に過ごすよ」
「そのバイトって、時給いくら? 私もちょうど、バイトを探してて」
「880円だったかな。でも募集は一人だったから、俺が採用されたことで、もうその口は埋まってしまったぞ。まぁ、このくらいの条件なら、他に幾らでも見つかるだろうし、気にするなって。それに、真奈美の家からは、かなり遠いしな。真奈美はいつも、実家からここまで通ってるんだろ」