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桜舞うあの日のままで
第14章 夏休み直前、悠と真奈美
 ひとしきりゲームをした後、コントローラーを置いて悠が言った。

「もう6時を回ったんだね。じゃあ、メシ食うから、そろそろ帰ってくれないか」

「ふぅ~。相変わらず手厳しいねぇ」

 おどけた真奈美もコントローラーを置く。

 悠が苦笑して言った。

「真奈美が厚かましいだけだろ」

「そんなに急がなくてもいいじゃん。何なら、一緒にどっかで食べてもいいし」

「相変わらず、暇人なんだな。それに、予定も立てずに行き当たりばったりで行動できるところが、羨ましいよ」

「ふん、何とでも言っていいよ! ところで、悠の実家ってどこにあるの?」

 急に真顔で尋ねる真奈美に、苦笑したままの悠が答える。

「K市だよ。ここからは、けっこう離れてるだろ?」

「ええっ?!」




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