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桜舞うあの日のままで
第20章 桜舞うあの日のままで
思わず、風香が呟く。
「綺麗……」
「ホントだな。やっぱ、あの木が一番かも。今年も」
しみじみ呟く悠に、風香も「うん」と頷いて同意してから言葉を続けた。
「去年も綺麗だったよね」
「ああ、覚えてるぞ。あのときは夜桜だったか」
「……ねぇ、悠……」
「今夜も一緒に見るか?」
「え?!」
まるで心を見透かされたような気がして、風香は驚きの声をあげた。
悠は嬉しそうに言う。
「やっぱり図星だな。そりゃ、今風香が何を考えたかくらい、俺にも分かるって。俺たち、何年来の付き合いだと思ってるんだ。それに、今のはかなり分かりやすかったし」
「じゃあ、お願い。夜桜も一緒に楽しもうね」
「うん」
そして二人は桜へと視線を戻した。
風香は「ここしかない」という空気を感じ、いよいよ告白しようと唾を飲み込んだ。
ところが―――。
「綺麗……」
「ホントだな。やっぱ、あの木が一番かも。今年も」
しみじみ呟く悠に、風香も「うん」と頷いて同意してから言葉を続けた。
「去年も綺麗だったよね」
「ああ、覚えてるぞ。あのときは夜桜だったか」
「……ねぇ、悠……」
「今夜も一緒に見るか?」
「え?!」
まるで心を見透かされたような気がして、風香は驚きの声をあげた。
悠は嬉しそうに言う。
「やっぱり図星だな。そりゃ、今風香が何を考えたかくらい、俺にも分かるって。俺たち、何年来の付き合いだと思ってるんだ。それに、今のはかなり分かりやすかったし」
「じゃあ、お願い。夜桜も一緒に楽しもうね」
「うん」
そして二人は桜へと視線を戻した。
風香は「ここしかない」という空気を感じ、いよいよ告白しようと唾を飲み込んだ。
ところが―――。