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桜舞うあの日のままで
第5章 切なく寂しい風香の夏
 その後、二人の関係には特に変化は起きなかった。

 安心する反面、どこか寂しいような切ないような想いを抱く風香。

 しかし、そのときの風香にはどうしてそんな気持ちになるのか、自分でも理解できなかった。

 むしろ、「あの日ああいうことをしてしまったせいで、気まずくなったらどうしよう」と危惧していたことが杞憂に終わったわけであり、「もっと喜んでもいいはずのこと」と風香は思っていたのだが。

 それでも、湧き上がる寂しさと切なさは抑えきれず、風香はその理由も分からぬまま、勉強や部活に明け暮れていた。




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