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訳あり探偵事務所『Grayer』
第2章 閉ざされた門

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慎は目を瞑っていた。
今でも鮮明に思い浮かぶ13年前の記憶
蝉の鳴き声に、気温や、湿度。
お巡りさんがくれた飴の味……
あれ、あの飴玉何味だったっけな……
レモンだっけ…オレンジだっけ…よくわからないなぁ
なんか味はっきりしないんだよなぁ、
レモンならとびきり酸っぱく…わかりやすくして欲しいよね、化学調味料ばっか使いやがって……
「はっ…!」
ふと我に帰る
あれ、今私何考えてたんだっけ…
目の前は横断歩道、車が横切っていく
向こう側にも数人ほど信号をまっている人達が見える
少し右を向くと歩行者信号は赤に変わっていて
そのまま斜め左上へと視線を動かすと
大きな車両信号は黄色から赤へと変わっていた

