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どうか、私を愛してください。
第20章 誠二さん、どうか私を愛してください。
「誠一さん……?」



「悪い……っ」



男の大人が涙を流すなんて
もっと恥ずかしいことだと思っていたけど
流してみれば抱えていた肩の荷が軽くなった気がした。



結婚してから誠二と会わせる前の5年間
ソファで眠りかけたときにそっとかけてくれたブランケット
疲れが出たときに差し出されたカフェオレ
いつもニコニコの笑顔で俺を出迎えてくれた美緒の笑顔が



本当に大好きで、大切な時間だった。



「ごめんなさい……あなたも苦しかったよね。」



美緒に無理やりでも俺のそばにおかせて
永一の母親として俺の妻として家族を演じさせたほうが後々幸せかもしれない。



だけど『今』は違う。
誠二と一緒にいさせたほうが絶対幸せだ。
これだけは俺は胸を張って言える。
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