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どうか、私を愛してください。
第20章 誠二さん、どうか私を愛してください。

「誠二さん、体調大丈夫ですか?」
「うん、平気だよ。」
「初めてですね。」
「え…?」
「こうやって外で誠二さんとお出かけするの。いつも家の中だったので。」
「そういえばそうだな……あの頃外に美緒と出かけたかったな。もっと色んなところに美緒と行きたかった。アメリカにも一緒に行きたかったな。」
「これから出かければいいじゃないですか。」
「……」
やっぱり誠二さんは呼吸器をつけるつもりはないんだ。
せっかく、せっかく誠二さんと一緒になれそうなのに
誠二さん自らの手でその人生を終わりにするなんて――
こんなことを言ったら不謹慎だけど
誠二さんが車いすでよかった。
一生懸命涙をこらえている姿を見られなくてすむから……
「うん、平気だよ。」
「初めてですね。」
「え…?」
「こうやって外で誠二さんとお出かけするの。いつも家の中だったので。」
「そういえばそうだな……あの頃外に美緒と出かけたかったな。もっと色んなところに美緒と行きたかった。アメリカにも一緒に行きたかったな。」
「これから出かければいいじゃないですか。」
「……」
やっぱり誠二さんは呼吸器をつけるつもりはないんだ。
せっかく、せっかく誠二さんと一緒になれそうなのに
誠二さん自らの手でその人生を終わりにするなんて――
こんなことを言ったら不謹慎だけど
誠二さんが車いすでよかった。
一生懸命涙をこらえている姿を見られなくてすむから……

