花が絡められた短編集。
紅薔薇や月下美人はなんだか切ないですね…。
金木犀は、縛られた女の子の映像の所からぞくりとして、一気にページをめくり続けていました。
タイトルの花の名前一つ一つが綺麗ですね。次の花は何だろうとワクワクしていますo(^-^)o
続き、楽しみです!
この作品は18歳未満閲覧禁止です
花に酔う
レビュー
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★★★★★
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★★★★★
1章 紅薔薇
こんなにも適切に、それでいて情緒的に切なく悲しく心理描写が丁寧に紡がれていることに、感動を覚えました。
私も素直になれなかった過去の経験があるので……読んでいて、あの頃の記憶が浮かび上がり、胸を締め付けられました。
好きなのに、素直になれない……
好きだから、相手を試そうとしたり、わざと傷つくような言葉を投げ掛けてしまったり……
それで相手が自分をまだ好きなのだと確認して安心したり……
本当に必要なのは、素直になること
好きだと相手に伝えることだったのに……
紅薔薇が彼女の懺悔を意味するものではなく、新しい誰かの「愛してる……」を受け取る意味となりますように……
こんなにも適切に、それでいて情緒的に切なく悲しく心理描写が丁寧に紡がれていることに、感動を覚えました。
私も素直になれなかった過去の経験があるので……読んでいて、あの頃の記憶が浮かび上がり、胸を締め付けられました。
好きなのに、素直になれない……
好きだから、相手を試そうとしたり、わざと傷つくような言葉を投げ掛けてしまったり……
それで相手が自分をまだ好きなのだと確認して安心したり……
本当に必要なのは、素直になること
好きだと相手に伝えることだったのに……
紅薔薇が彼女の懺悔を意味するものではなく、新しい誰かの「愛してる……」を受け取る意味となりますように……
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★★★★★
刹那的で耽美的な、叙情詩でもある本短編。
魅惑的な花の香りに包まれつつ、告解めいた言葉が痛いほどの切ない感情を伴い、読み手の心を揺さぶります。
一人称で語られる静謐な文体から、見え隠れする激情。
正気と狂気の狭間を覗いている気がして、背徳感にぞくぞくしました。
特に金木犀。無機質な少女に魅入られた健全カップルが、正常領域を侵蝕されていく様はどこか耽美で幻想的で、雪緒さま独特の危うい色に染まった新たな世界に飲み込まれてしまいました。
儚く散る花、艶やかに咲く花、幻想世界に誘う花……。
雪緒さまを通すと、ここまで匂い立つんですね。
これからどんな花が増えて行くのか、楽しみです。
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