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蒼井シリウスさんの日記

官能ベリーショートショート その49
[作成日] 2019-01-05 22:27:13
『姫始め』

ホテルの12階の部屋。
窓からは、光を反射する高層ビルの壁がいくつか見え、眼下には薄汚れたビルの屋上がいくつか見えた。
正月も明けきらない5日、土曜日、正午近く。
無数にも見える窓で、乾いた光が漏れているのはまばらだ。
俺は、裸の理恵の両手を窓ガラスに付かせ、背後から密着すると、片方の手で乳房を乱暴に揉み、もう片方の手は股間に滑り込ませた。
「ほら、理恵、見せてやれよ、正月から働いている奴らによ、よがってるお前の姿を」
「いやっ、お願い、やめて……」
そう言っても興奮しているのがわかる。
触れた指にぬめりが付着する。
「お前、見られて興奮してるんだろ?」
「違う……そんなこと……」
「違わねえよ!」
俺は理恵に背後から一気に挿入した。
「ああんっっ!」
仰け反り、首を激しく左右に振る。
「ほら、思った通り、もう中までぐちょぐちょじゃないか……このビルのどっかにいる旦那によ、昼間から他の男にぶち込まれてる姿を見せるんだ!」
理恵の旦那は大手企業の役員だと聞く。
こんなことが知れたら影響は会社にも及ぶだろう。
「いやっ! お願い! やめてっ!」
首を横に振り続ける。
理恵の顎に手を当て前を向かせる。
「いやっ……」
理恵の中が、俺のものを断続的に絞る。
感じているのだ……こうされることに……。
近くに見えるビルの、同じ高さの窓のブラインドが上げられた。
中からネクタイ姿の男がのぞく。
男の動きが止まる。
こちらに気付いたのだ。
俺は理恵の耳元に口を寄せて言った。
「ほら、あそこのビルの窓を見てみろ、男がいるだろ? こっちを見ている」
理恵も気づいたようだ。
「あの男に見せてやるんだ。お前の姿を……」
目測で50メートルくらいの距離だ。
顔はわからなくても、何をしているかは判別できるだろう。
俺はこれ見よがしに、理恵の乳房を掴むと、乱暴に揉んだ。
後ろから激しく突く。
「ああっ! いやっ! ああっっ!」
徐々に理恵の締め付けが強くなる。
身体が固まり、押し殺した喘ぎ声だけを吐き始めた。
イキそうなのだ。
「見せるんだあの男に! お前のイク姿を!」
俺は突くスピードを上げた。
「ああっ、イク……イっちゃう……あっ、だめっ……イクっ……イクっー!」
その声と同時に理恵の中に放った。
窓の男を見た。
顔があった場所には、大きなレンズを装着したカメラがあった。

日記へのコメント

ちなさん、ありがとうざいます。
人に何かを伝えるということはとても勇気がいることです。それを推しての感想ありがとうございます。

人はどうしても伝えたいことがあるから、それを外に向かって表現する。
それが最大のモチベーションです。

私、ここで
「読んだ感想いただけると嬉しいです(*^_^*)」
と書いたら多分誰も書いてくれないでしょう(笑)

一番のモチベーションだった自発性を奪われるからです。
あと、作者がそう書いた途端、作品と読者であった関係性が、作者と読者になるからです。
これ書きづらいです。
相手の顔色を考えるからです。

ですから、これからも自発的にもらえるよう頑張ります(笑)

[投稿者]蒼井シリウスさん [投稿日]2019-01-06 18:18:45
ふたりの立ち位置、状況や空気感が徐々に明らかになっていき、とてもどきどきしました。イヤイヤしながら感じちゃう女の子ってすごくかわいくて大好きなので、思わずニヤニヤしてしまいました。最後の一行が余韻を残しててとても素晴らしいですね。続きを妄想してしまうほどです。素敵でした。
[投稿者]ちなさん [投稿日]2019-01-06 09:40:17

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