『禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡』
pickupありがとうございます!!
流石紀永さん強いなーと、サイトを開き感心してしまった彩華でございます。
そして、ファン様666名突破のお礼も言わせて下さいませ。
もう幸せ過ぎて涙が出そう。
此からも亀ですが頑張らせて頂きます。
◇◇
「何れにしようかな?」
学校帰りの美紀をアトリエに置いて、私1人でコンビニへとやって来た。
理由的に言えば、あまり美紀をこの辺りの住人に顔を覚えて欲しくない為。
まだ17歳の美紀と私。世間体でも倫理的にも憚れるのは目に見えて分かる話。
……美紀は私と一緒にコンビニに来たがっていたが。
(本当は……)
早乙女会長という立場を使えば、外を一緒に出歩くなど簡単な事。誰も居ない離島にでも渡ってしまえば良い。
本当にそれが出来ればの話だが……。
(もう少し、もう少しだけ杉田季永を通していたい)
普通の人と同じ……隠し事をしてでも、美紀と普通に付き合っていたい私の思い。
普通と違う人生を歩んだ私だからこそ、今の普通が手放せないのかも知れない。
「サンドイッチで良いかな?」
サンドイッチを手に取り思うのは、私が本社勤務していた頃のコンビニより遥かに味が良くなった……などというたわいもない事なのだが、今の私に取ればそれが凄く新鮮な事に感じるのだから不思議なものだ。
(くすっ……遠藤が知れば何を言い出すだろうね)
遠藤もそうだが、葉山が知っても渋い顔はされそうだ。
『会長という立場なのですから、軽々しい行動は……』
と、言われそうな言葉まで浮かんで来るのがまた楽しく、ついつい必要の無い物まで買い込んでしまった。
少しでも長くコンビニに居たかったのだろう私も。
「お帰り季永さん!
それにしても凄い量……」
「ああ……。
二人で食べようと思い、少し買い過ぎたかな?」
アトリエに戻れば、美紀が笑顔で出迎えてくれる。これもまた無かった感覚。
セーラー服をひらめかせに、多少の罪悪感はあれど、既に一線を超えてしまった私達に取れば些細な事とも。
「季永さんって凄く食べるの?」
「人並み程度だと思うよ。
本当に買い過ぎただけだから、食べれる分だけ食べよう美紀」
「うん、そうする」
テーブル並べたコンビニ食の数々。あれが良い、これが良いと、美紀と一緒に食べる幸せを感じる私。
……もう少しこのままで。
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彩華 鞠さんの日記
小さくお礼&オマケ
[作成日] 2019-05-13 17:43:57