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蒼井シリウスさんの日記

官能ベリーショートショート その55
[作成日] 2023-06-04 16:40:41
幸せのありか

最後の体位、正常位で彼女を激しく突き上げる。限界が来たようだ。
絡めていた舌を彼女から離す。
「ああぁ、イク、出すぞ! 真弓、いいか、このまま中に出すぞ!」
最後に彼女の口からもう一度その言葉を聞きたかったのだ。
「うん、うん! 出して、今日もいっぱい出してっ!」
俺を見つめ首を立てに何度も振る。
「ああっ! イクっ!」
突き上げを止め、目を固く閉じ、彼女の中への俺の吐精が始まる。
彼女が俺の尻を掴み、自分に引き寄せる。
「ああ、出てる……すごい出てる……」
薄暗い静かな部屋にこもる、二人の熱気。
お互いに、荒い息のまま黙り込む。
二人の感覚は同じところに集中している。
まだ彼女の奥深くへの俺の射精は続いていた。
彼女は、眉間にしわを寄せ、目を固くつむって動かない。
でも彼女の胎内では俺の硬く脈打つものを何度も締め付け、更に絞り上げていた。
彼女の俺の尻に回した両手に更に力がこもる。
俺の本能の爆発を直に受け止めることが、自分に最高の絶頂感を与えることを、彼女は知っている。
これが彼女が女である事の幸せだと俺は知っている。
それも俺の女であることの。
だから、放れられない。
だから、求めてしまう……もっと、もっと、と。
彼女がやっと目を開く。
俺がずっと見つめていたことに気づいて、少しはにかむ。
俺の頬に両手を当て見つめる。
今、自分の奥深くに射精している男を確かめているようだ。
お互いの欲望を恥ずかしくもなく解放し、お互いそれを受け止め合えた震えるような幸福感。
男に生まれ、彼女と出会えて良かった。
そんな彼女に、俺は心からの口づけをする。
お互いの唇と舌が、別の生き物のように絡み合い解け合う。
君はいやらしくはない、美しいよ。
荒い息が収まり、彼女の中の俺のものが徐々に体積を失う。
「あっ……」
彼女が小さく声をあげる。
「あなたのが溢れてきちゃった……私の中、あなたでいっぱい……」
静かに微笑む。
微笑み返す。
静かに躰を離そうとした。
「お願い、まだ、抜かないで……今、女に生まれて、一番の幸せを感じているの……」
そして彼女は静かに目を閉じた。
俺は彼女の上に体重を預けた。
二人の粘液と粘膜が繋がり解け合い、身体中の皮膚さえも境目をなくし二人は一体化した。
俺も目を閉じる。
さっき飲んだシャトーマルゴーの酔いが回って来たようだ。

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