確かに私自身、他の人のスピーチの内容なんか聞いていませんし、お偉いさんの長い話には、げんなりします。
つまり、自分が気にするより、人は私のことを気にしていない……。
それは事実ですが、はやり大勢の聴衆を前にしてしまうと、“私が今大勢の人に注目されてる”という事実は、消せません。
この考えも私には向かないような気がしました。
本やネットからも解決策を見いだせません。
なら、自分で見つけるしかありません。
結局、何が自分の問題点なのか?
と自分で分析してみました。
それは、やはり、トラウマに起因する
『何を話していいか、わからなくなることへの恐怖』
に集約されます。
緊張の為、頭が真っ白になり、皆の前で立ちすくむ……。
まさに、恐怖です(笑)
じゃあ、話すことが、いつも頭にあるようになれば、いいのか……?
実は、私、他にある苦手なものを克服した経験があります。
それは『営業』です。
昔、一般の家庭にお邪魔して、よく、一人でいる奥さんと、お話しする仕事をしていました(笑)
最初の頃は、何を話していいかわからず、ぐだぐだでしたが、やっているうちに緊張しなくなり、仕事がとれるようになりました。
数をこなしたから、と言えばそれまでですが、なぜ、うまくいくようになったかと言えば“手順”を自分なりにみつけたからです。
最初挨拶して、次はこれを言って、次はこのことを話して、これを訊いて、最後はこれ……と、それに従って話せば“何を話していいか”迷わなくなり、営業も怖くなくなったのです。
そのことから、緊張を解く鍵は、原稿を覚えるのではなく『どんな内容のことを、どんな順序で話すか』を覚えることではないかと、考えたのです。
これを覚えたら、原稿もそんなに悩まないで書けますし、順序さえ覚えていれば、その内容を頭に思い浮かべることは難しくはありません。
あとは、それを『どう話すか』であって、それは、場所や組織によって、話し方を変えればいいだけです。
実は、これ、私が考えてる『小説の書き方マニュアル』に通じる考えなのです。
小説も『どんな内容のことを、どんな順序で書くか』さえわかっていれば、あとはそれを『どう表現するか』に頭を使うだけなのです。(と考えます)
話慣れたお偉いさん方を見ると、ある種の『型』にはまった話し方をします。
つづく……。
作者ページ
蒼井シリウスさんの日記
人前でスピーチする方法論 中編
[作成日] 2015-01-28 12:36:05