暑くて寝苦しい夜でした。
扇風機をつけたまま寝ました。
ふと夜中に目が覚めたのです。
カーテンの隙間から外の街灯の明かりが入り込み、部屋の中がぼんやりと見えます。
携帯電話の表示を見ると、午前三時をちょっと過ぎていました。
とりあえずトイレに行こうと起きあがろうとしたときでした。
薄暗い部屋の隅に、何かがいるのを感じました。
え? と思ってそちらを見ると、小さなお婆ちゃんが正座をしていました。
うつむいていました。
が、ゆっくりと顔をこちらに向けてきたのです。
ひえっっ!
顔が正面を向きました。
うわっっ!
扇風機でした。
このように私は、まったく霊感のない人間です。でも人生で金縛りに三度遭ってます。霊感がなくとも金縛りに遭うのです。
夜中にふと目が覚めると、仰向けに寝ていた足下から、何かがゆっくりと上ってくるのを感じます。
そのとき身動きも、声を出すこともできません。
もうパニック状態です。
それが胸を過ぎ、首元まで来ます。
うわーっ!!
声にならない声で叫びます。
その瞬間、そのなにものかは姿を消しています。
このように大概は、動けなくなる、声が出ない、何かの気配を感じる、体に圧迫感を感じる、などの体験が多いです。
でも、これ、今では科学的に解明されてます。
浅い眠りの時は、脳はまだ活発に動いていますが、脳から体への指令は遮断され、体は休んでいる状態です。このとき夢を見ます。夢の中で動いても、実際の体は動かないようになっているのです。
そのとき何かの拍子で脳だけが覚醒するときがあるそうです。
しかし、体はまだ脳からの運動指令を受け付けない、そうすると脳は現状のつじつま合わせる為に、何か外的要因が体を襲っているように、また「夢」を見させるのです。
それが、金縛りです。
でも、これを知ったのは最近で、それまでは恐怖におののいていました。そして自分なりに分析し、三度とも金縛りから覚めたとき、仰向けに寝ていたという共通点を見つけたのです。
「そうか、仰向けに寝ると、霊から憑りつかれやすくなるんだ」と結論をつけ、それ以来、横向きで寝ています。
でも、それからは、金縛りに遭ったこはありません。でもこれも理にかなった方法かもしれません。
横向きになった体を、動けないようにする要因を創り出すことは難しいでしょうから。
かかりやすい人はどうぞ、試してみてください。
完
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蒼井シリウスさんの日記
金縛りに遭わない方法
[作成日] 2015-08-07 10:27:11