『妄想会話』その10
結婚披露宴前夜
「くっ……なんてことだ! 君がこんな小さかったなんて!」
『やめて! これ以上入らないわ! 私が小さいんじゃない! あなたが大きすぎるのよ!』
「でも、明日なんだ! もう俺には君しかいないんだ! 無理にでも入れるよ!」
『無理よ! こんな大きなの入らないわ! あなたが、こんな人だなんて思わなかったわ!』
「入れさえすればそれでいいんだ……あとはそんなに動かないようにするから、少しの間耐えてくれればいいんだ!」
『あっ、無理よ! あっ、いやっ、お願い、そんな乱暴にしないでっ!』
「ほらっ! もう少しだ! もう少しで全部入る! お願いだ! 辛抱してくれ!」
『あっ、無理よ! あっ、裂けちゃう! ああっ、裂けちゃう!』
「あ、入る! ほら、入る! ほら、入った! 入ったよ!」
『ああっ! いやっ! だめよっ! そんなっ! だめっ! ああっ! 動かないでっ! ああっ! だめっ! 裂けちゃうっ!』
「あっ! お尻の方、裂けちゃった……」
礼服のスラックスとの会話ですが、なにか……?
完
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蒼井シリウスさんの日記
小噺集 その86
[作成日] 2015-09-03 08:38:36