そこへ、他のメンバーの笑い声が聞こえてきた。
真っ青になる私に向かい、八反田さんはクスリと笑った。
そして、あろうことか私のパンツとお尻の間に、スイッチを隠し入れたのだ。
「あ、八反田さんお疲れ様ですー」
「あれ?みゆりちゃんまだいたの?」
「う……うん」
「ちょっと調子わるくなったみたいでな。少し休んでいけと言った。ああ、そうだ、手荷物検査始めたからお前達も鞄を見せなさい」
「えー!?なにそれ!?」
八反田さんが事の経緯を説明している間も、私は倒れないように、声を出さないように必至だった。
びちびちと水辺で這い回る羽虫のような音がバレませんように!
思いながら流れるえっちなお汁を、太腿で擦り合わせて必至に隠した。
八反田さんが時折、いつもの無表情でこちらを伺う。
その片方の口角がたまにあがる意味が、私には手に取るようにわかる。
「何もないな。はい、ありがとうございます。もう帰って大丈夫です」
「はーいって、みゆりちゃんほんとに大丈夫?顔真っ赤だよ……?」
「あっ、え……と……あっぅ……」
「風間、熱があるようだから帰りに病院寄ってくぞ。送ってやる」
「あ……は、い……」
「みゆりちゃんホントに躰弱いんだね……いつも倒れちゃうから心配だよー」
「あり、がと……でも、きょう、は、ホントに……へんに、なっちゃ……あ、ぁぁ……」
痺れが果てしない快楽に変わってゆく。
だめ、も、イッちゃう……。
思ったとき、八反田さんが私のおでこに手を添え、抱きとめるように躰を支えてくれた。
その瞬間、プツッと糸の切れたマリオネットみたいに、私は八反田さんに倒れ込んだ。
どうしよう、イッちゃった……。
こんな、メンバーが見てる前で……。
そして、耳元には八反田さんの囁く声。
――変態アイドルみゆりちゃん。いちごローターでイッちゃったの?
きっとメンバーふたりには、この人の声は聞こえなかっただろう。
「うーん、やっぱり熱があるな。うつすといけないから、2人は早く帰りなさい」
作者ページ
みゆりさんの日記
100ページ記念と日頃のお礼小説3
[作成日] 2016-03-25 16:20:45