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蒼井シリウスさんの日記

映画レビュー『オデッセイ』
[作成日] 2016-06-24 12:41:00
以前から言っていることだが、私は制約の中で創意工夫して何かを生み出すのが好きだ。
だから1000文字以内で物語を書くとか、同じプロットで違う話を何作も書くとか、なんでもいいから自由に書け、というよりは燃える(笑)

限られた条件下で知恵を絞って成果を出す。
それを達成したときに、私の脳内にドーパンミンがあふれ出る構造になっているのだろう。
だからやめられないのだ(笑)

映画とか小説も、そういうサバイバル的なものが好きだ。
昔テレビで放映していた『冒険野郎マクガイバー』も好きだし、漫画の『マスター・キートン』もその類だ。

今回紹介する『オデッセイ』もそうだ。
火星探査中に死んだと思われ、他のクルーに置いてきぼりにされた男が、限られた条件下で知恵を絞って、次の助けが来るまで生き残ろうとする話だ。
水、食料、通信手段の確保。
植物学者であるその男は、基地内でジャガイモを育てることに成功する。何とか地球との通信手段も見つけた。それからはその試行錯誤は遠く離れた地球でも行われる。食料が尽きるまでに火星に救援物資を送る計画を練る。どちらも順調に進んでいたかに思えたが、しかし……。
ハリウッド映画なのでここから手に汗を握る展開になる。

この映画を観て思い出した小説がある。
『キャプテンフューチャー・シリーズ』の中にある『宇宙囚人船の反乱』だ。これは私が幼少の頃、NHKでアニメでも放映していた。
囚人とキャプテンフューチャー一行を乗せた輸送船が小惑星に不時着したが、船は溶岩に呑み込まれ、星からの脱出手段を失くす。しかも追い打ちをかけるようにその星はもう少しで太陽の重力で粉々に吹き飛ぶ限界点にあった。
そして彼らが考えついたのは、小惑星にある限られた物質を使って「ゼロから宇宙船を作る」ことだった。
という荒唐無稽な展開だが、いやどうして、ラストのシーンは涙なくしては読めない(笑)

その感動を味わうために子供の頃、何度も読み返した本だった。
今その本があればもう一度読みたい。

やっぱりその感動は、制約の中で何かをやり遂げた達成感への感情移入から生まれるものだろう。
自由というのは時としてつまらない。
制約があるから面白いのだ。
そしてそのあとの達成感。
何事にも代えられない悦びだ。

やっぱり私は『M』なのだろうか?

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