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他に好きな人ができたから、というあまりにも正直な理由で僕を振った女性が、今日目の前で卒倒して搬送されたのですけれども、快感しか感じませんでした。

下衆な言い方をすればザマを見ろ、といったところです。

倒れる前は特に異常も見られず元気にしていて、しかも僕に対して妙に馴れ馴れしく話しかけてきたり、いきなり後ろから抱きついてきたりなどしてきて、僕としては今さら尻尾を振られてもまるで愛情など感じないし、あからさまな媚に嫌悪感さえ覚えたのですけれども、一方で、これを訴えたとして、果たして女性から男性への接触がセクハラとして認められるかどうかを試してみたいという好奇心も感じていました。

それでも好奇心のために裁判を起こすというのも馬鹿げているのでそんなことはしません。

いくら嫌いな人間とはいえ、その人間の不幸を嬉しく思う僕は、やはり狭量なのかもしれません。