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中村 心響さんの作者ニュース
ショートラブストーリー 2
そんなことを何年も、何度も私は繰り返してきちゃったんだ…
家まで続く街路樹を眺めて歩き、郵便受けを確認して冷えたドアノブに手を掛ける。
「お前もそろそろ男作れよ」
他愛ない電話の後そう言った君に「今度、告るからほっといて!」私は初めてそう返した。
「…!?好きな奴、居たの?…」
「居たよ…」
「相談、してくれれば…」
そう言ったきり無言が続く電話を私ははぐらかしながら切った。
一週間前にそんな話をしたっきり、音沙汰無し。
相談なんて、出来る訳ないじゃん…
私は溜め息をついた。
「今年も決まったな…」
呟きながらクローゼットの引き出しに買ったばかりのチョコを入れると何となく笑いが溢れる。
この時期になるといつもココにしまう『想い』
それを見つめて今までの過去に浸る私をふいに玄関の呼び鈴が引き戻した。
「…っ…ど、うしたの?」
「ご、めん…なんかっ…」
額に汗が滲んでる。
突然現れた君はもごつく口を隠して急に赤くなった。
「俺っ、めちゃめちゃお前のことが気になってっ…考えるより会った方が、いいかなってっ…」
「………」
「俺っ、バカだよなっ…」
「―――!…」
しどろもどろになって息を深く吸うと、そう呟いた途端に私は腕の中に捕われた。
放心状態でチラチラと舞い落ちる粉雪に目を奪われていると、君のかすれる声が耳に届く。
「頼むっ…他の奴に告るのだけは勘弁してっ…」
―――どうしよう、チョコは明後日渡す日なのに…
そんな贅沢な悩みに私は終らない夢の続きを見始めていた…。
家まで続く街路樹を眺めて歩き、郵便受けを確認して冷えたドアノブに手を掛ける。
「お前もそろそろ男作れよ」
他愛ない電話の後そう言った君に「今度、告るからほっといて!」私は初めてそう返した。
「…!?好きな奴、居たの?…」
「居たよ…」
「相談、してくれれば…」
そう言ったきり無言が続く電話を私ははぐらかしながら切った。
一週間前にそんな話をしたっきり、音沙汰無し。
相談なんて、出来る訳ないじゃん…
私は溜め息をついた。
「今年も決まったな…」
呟きながらクローゼットの引き出しに買ったばかりのチョコを入れると何となく笑いが溢れる。
この時期になるといつもココにしまう『想い』
それを見つめて今までの過去に浸る私をふいに玄関の呼び鈴が引き戻した。
「…っ…ど、うしたの?」
「ご、めん…なんかっ…」
額に汗が滲んでる。
突然現れた君はもごつく口を隠して急に赤くなった。
「俺っ、めちゃめちゃお前のことが気になってっ…考えるより会った方が、いいかなってっ…」
「………」
「俺っ、バカだよなっ…」
「―――!…」
しどろもどろになって息を深く吸うと、そう呟いた途端に私は腕の中に捕われた。
放心状態でチラチラと舞い落ちる粉雪に目を奪われていると、君のかすれる声が耳に届く。
「頼むっ…他の奴に告るのだけは勘弁してっ…」
―――どうしよう、チョコは明後日渡す日なのに…
そんな贅沢な悩みに私は終らない夢の続きを見始めていた…。