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KETSU OH!さんの作者ニュース
(初期の跡地 より)初期のart 症状
花は持たれましたか・・だなんて話し掛けられた様な気がして、これはポエジーですか?と、さも解りきった様に、つまりは的はずれに返せば、では百合の根を、ひと株お持ちなさい。それはもう、たいそう謙虚でらっしゃいますから未だかつて一度も・・等と、受け応えにすら成らないまま、勧められ渡されたのは、単なる説明書らしい。
如何にも尤もらしく(傾性は青と記憶する)から始まりはしたものの、規模だけが予め定まっていると察せられる程度で、どうも確信があって事が運んでいるとは言い難い。更には(ただ一箇所に於いて、粒子を密に、あくまで青く触れ続ける)と意味不明な前置きばかり続き、あたかも自身の把握すら出来ていない様な危うさで、一向に本文へと入る気配もない。
直に手に取れば分かりそうなものを、改めて説明書の体裁から始め直し、手に取る迄に、如何ほど所作を費やしたかが仰々しく綴られてゆく。肝心な青についての言及は慎重にもはぐらかし続けて、まさしくそうする事が、ようやく一、二行僅かに記されるであろう処の、青なる力を終わらせずに円滑に推し進めるにあたっての、自身の本質であるかの様な思わせぶりで、とどのつまり辿り着いたのは、持ち掛けられたはずの百合とは似ても似つかない、未だかつて一度も・・
始めから誰もいないし、何か起こった訳でもなく、或る意味、当初の意図は達せられたとみえる。とてもささやかな装置の説明書を、現れもしないうちに渡され、終わってから読まされる呈の一部始終ではある。