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KETSU OH!さんの作者ニュース
(初期の跡地 より)aria のない装置
誰かのプロローグとして始められたにせよ、既に自動化しつつあり、終了すべき工程も定かではない為、未だに稼働し、何が出来上がるのか一向に見当のつかない、ごく小さな同じ形をした部品だけが、日々繰り返し作られ続けている。
更なる効率化が図られた挙句に簡略は増し、遂には部品として精巧極まりなく、又、何処にも属しようのない単一化をみるに至った。不具合が生じた場合も、該当部だけが新たに入れ替わり、他への波及は最小限に抑えられ、全体で感知する必要もない。そして、凡ゆる箇所で不具合が生じる限り、むしろ部分としては精度を高めながら、その為にこそ全体は稼働し続けている。
末端にまで張り巡らされながらも、全体としては確実に空白を有し、何らかの装置に辿り着くまでは敢えて満たされ続け、やがて当初の部品さえ定かではなくなる。然程に、かなりの年月が費やされているとも言え、余りに規模を取り過ぎた為、装置としては失敗であった可能性さえもが徐々に高まりつつある。
時間と共に、更には時間と同じく、着々と生産を続けて顧みることなく、自社の部品は精緻を増す
立ち並ぶ銘板の、斯様に記された言葉を、あたかも完全に果たしたと言わんばかりに、将来完成したであろう大規模な施設は、その気配すらもない。