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霧山純生さんの作者ニュース
『マリアという女』完結に寄せて
アヴェ・マリア/AveMariaというタイトルの曲は、有名なものは三つ。グノーとカッチーニ、そしてシューベルトが作曲したものがある。
実はシューベルトのアヴェ・マリアは、本当は「アヴェ・マリア」ではない。「エレンの歌 第3番」が正式なタイトルだ。
スコットランドの詩人ウォルター・スコットによる叙事詩「湖上の美人」のヒロインであるエレンの歌にシューベルトが作曲し、歌曲とした。歌詞の中にアヴェ・マリアのワードがあったので、この曲が「アヴェ・マリア」として認知されるようになったらしい。
そんなシューベルトのこの曲を初めてちゃんと聴いたのは、当時、日本でもブレイクしていたサラ・ブライトマンのアルバムを購入し、そのアルバムの一曲目が「アヴェ・マリア」だったから。私は聴きたかったのはシングルで売れた「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」なのだが、3分ほどの長さしかないサラのアヴェ・マリアが私の心を捉えた。
なんという無垢で清らかな調べなのだろう。キリスト教にもおよそ宗教というシロモノに興味がない私でも、美しいなどと表現するのは安易すぎる。そう思った。
あまりにも気に入ったので、車に乗っているときでもガンガン聴いた。山の中の峠道を、屋根を開けて(その当時はオープン・2シーターが愛車だった)サラのアルバムをフルボリュームで流しながら飛ばすという、シュールかつ若気の至りそのものの行為を、恥ずかしげもなくよくやったものだ。
サラの無垢なアヴェ・マリアは至高として、今現在の心が汚れ切った私にとっては、より人間くさい、セリーヌ・ディオンのAve Maria も心地良い。
この『マリアという女』を読み返すたびに、無性にアヴェ・マリアが聴きたくなる。
エンドレスで何度も、何度も。
実はシューベルトのアヴェ・マリアは、本当は「アヴェ・マリア」ではない。「エレンの歌 第3番」が正式なタイトルだ。
スコットランドの詩人ウォルター・スコットによる叙事詩「湖上の美人」のヒロインであるエレンの歌にシューベルトが作曲し、歌曲とした。歌詞の中にアヴェ・マリアのワードがあったので、この曲が「アヴェ・マリア」として認知されるようになったらしい。
そんなシューベルトのこの曲を初めてちゃんと聴いたのは、当時、日本でもブレイクしていたサラ・ブライトマンのアルバムを購入し、そのアルバムの一曲目が「アヴェ・マリア」だったから。私は聴きたかったのはシングルで売れた「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」なのだが、3分ほどの長さしかないサラのアヴェ・マリアが私の心を捉えた。
なんという無垢で清らかな調べなのだろう。キリスト教にもおよそ宗教というシロモノに興味がない私でも、美しいなどと表現するのは安易すぎる。そう思った。
あまりにも気に入ったので、車に乗っているときでもガンガン聴いた。山の中の峠道を、屋根を開けて(その当時はオープン・2シーターが愛車だった)サラのアルバムをフルボリュームで流しながら飛ばすという、シュールかつ若気の至りそのものの行為を、恥ずかしげもなくよくやったものだ。
サラの無垢なアヴェ・マリアは至高として、今現在の心が汚れ切った私にとっては、より人間くさい、セリーヌ・ディオンのAve Maria も心地良い。
この『マリアという女』を読み返すたびに、無性にアヴェ・マリアが聴きたくなる。
エンドレスで何度も、何度も。
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