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side B4
一方で彼女のlifeは


季節の変わり目が、僅かな木々の色づきで控えめにそれと知れる、こじんまりとした林を側に置く湖畔。二人の思い出の場所を、男は久しぶりに眺めている。
何事もなく積み重ねてゆく日々は、時たま彼にとって、さして派手な成果が見られるとは思えない雑多な物事を、一つずつ消し潰してゆくようにも思えた。長い年月を経ても変わらない此の景色は、遠くから眺めれば尚更、僅かばかりの色を、より鮮やかに男の眼に映じさせる。
余りに多くの些末時に、たまに足を取られ、右往左往する事もありはしたものの・・白鳥は一枚の絵となれば現れる・・あまつさえ水際立ち、溢れんばかりに、やがて来る、その、前で・・

何事もなく過ぎていった二人の日々は、殊更それと知れる大きな変わり目もなく、僅かな気配の違いを、互いに感じあっては相入れて、年毎に積み重ねた想いを隠すかの様に、同じ景色を繰り返してきた。
少なくとも、彼にとっては。