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おはようございます。

　二人の間で当然のように出た話は、三年前、満開の金木犀の下での印象的な出逢いの日のことでした。

　あの日、賛は母雪鈴から聞いた「月に咲く花」の話をしたのでした。
ー僕は君の色に染まりたい。
ー僕は君を僕の色に染めたい。

　この日、予期せず初恋の人と共に親しい時間を過ごしたことによって、賛の恋慕の情はいさそう深くなってしまいました。

　更に。
　昌は、三年前と変わらず、どこから見ても「美少女」にしか見えません。
　しかし、彼は「女性になりたいわけではなく」、「女装がしたい」だけです。
　その点が「身も心も女になりたい」という人とは違います。

　この複雑な特性が後に、若い二人の間に影を落とすことになるとは、まだ賛も昌も知る由もありませんでしたー。

　それでは、本日もよろしくお願いします。　

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