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KETSU OH!さんの作者ニュース
EP【to H by S】intro (女にとっての)作品A
それまで連綿と綴られ、捧げられてきた男の言葉は、女の軽い一瞥と共に、悉く破り捨てられていった。以来、男の口数は日増しに少なくなり、もとより無口であった女との、余りにも単調な日々が続いている。
ごくたまに、かつての男の言葉が、気紛れに頭を掠めでもするのか、いつもは無表情な女が、憐れみとも嘲りとも取れる笑みを、一瞬、男に投げ掛ける事はあった。男は、女に応えるでもなく、あいも変わらず、ぼんやりと視線を彷徨わせている。
事ほど左様に、退屈な日々の繰り返しは、一方で、男に何もかも忘れさせる強靭さを備えてもいた。
どれだけ年月を費やしても贖えない程の、一体どんな罪が、男と女の、何れに端を発し、そうして今や、どちらに宿るのか。女の口から語られた事は、かつて一度としてなく、これからも、おそらくは決してない。
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