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戸増拓也
『いただきます!』テンションが上がりすぎて、二人とも声がハモってしまい、美波と姉さんが声を上げて笑う。父さんも、美波手作りのオムライスを美味い美味いと何度も言って嬉しそうにほおばっていたよ。
近藤美波
パパと拓也にアタシの料理褒めてもらえたの嬉しいな。常連のお客さんがアタシのこと『看板娘』って言ってくれたから、お店のお手伝いが楽しくて料理も自分で作ってみたくなったの。食事は笑顔が一番よね。
近藤美波
ひとつだけ不満があるとすれば、ビールジョッキを持たせてもらえないことかな。バルでお姉さんが両手でたくさん運んでるのがカッコよくてマネしようとしたら『割ってケガしたら危ないから』って止められちゃった。
ディアビリア
もう1組お客さんが来たので、私はおしぼりを手渡した。そう。センとウメコ夫妻。ウメコの元気な声もあって、店内は賑やかになった。『青りんごビールがいい(※ノンアル)』と元気にドリンクをオーダーするウメコ。
近藤美波
『あ、センさんとウメコさんも来た来た!よし、青りんごビールっと…』アタシはジョッキを取り出し、サーバーからドリンクを注ごうとしてジョッキの取っ手を握ったとき、持ち手が割れて床に落としちゃったの。
ウメコ
『今ガラス割れる音しなかった?』アタシは厨房からの大きな音に思わずカウンターのドアを開け中へ。なんと美波ちゃんの左手が血まみれに!彼女は力が強いから、ガラス類は持つだけで簡単に割れちゃうのよね…。
センちゃん
俺が静止する前にウメコが勝手にカウンターのドア開けて厨房に入っちゃったよ…『美波ちゃん大丈夫?包帯は…』ウメコは必死に救急箱から消毒液と包帯を探している。ディアもウメコの声に厨房に駆けつけた。
ディアビリア
『どうしたんだ?いいよウメコ、ここは私がやるから。』見ると美波の左手から緑色の血がポタポタと滴り落ちていた。地球人に比べれば痛みは少ないが、早く止血しないと!美波は泣きそうな顔で何度も謝っていた。
ディアビリア
私は美波のケガの手当てを済ませたあと、『私こそ、ちゃんと見てなくてごめんね』と謝った。「お姉ちゃんとの約束…ぐすん…破ったから…ぐすん…ありゃひがわるいの…ぐすん」怒られると思い泣きじゃくる美波。
ディアビリア
『いろんなモノ持てるように練習してたの知ってる。美波は悪くないよ。怖かったね。』頭を撫で慰め『カワイイ笑顔が台無しだよ。』とティッシュで涙を拭く。卵料理を最初に覚えたのは割るときに痛くないかららしい。
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